ヒロアカ324話「未成年の主張」を読んだ感想を書き連ねていきます。
前回はA組に説得されたデクが要塞と化した雄英高校へ戻ろうとするが市民からのバッシングが酷く、受け入れられない…といったところで終わりました。
今回は市民を説得させるために飛び立ったお茶子に注目です。
あらすじ
「人の喜ぶ顔が好きだった」
幼少期だった頃のお茶子が描かれるが、活躍したヒーローをよそ目に自分と同じ立場である市民の笑顔を見ているお茶子。
お茶子の両親は建設会社を営んでおり、いつも疲れた顔をする両親を見るのが辛いと感じ、無意識に人の喜ぶ顔が好きになっていった。
お茶子の呼びかけを聞いた市民はデクを見る。ボロボロの姿に「弱そう…」とも言われてしまう。
「見たらなんだ?俺たちも泥に塗れろっていうのか!?」
市民の辛辣な発言にお茶子は「泥に塗れるのはヒーローだけ」。だから、その泥を払う暇を取らせて欲しい。
お茶子の必死の主張に涙する切島、飯田がいうにはお茶子は人々の笑顔のために今、必死で戦っているんだという。
余裕がなくて必死に助けるデクのことを見続けていた彼女だからわかる。
ヒーローが辛い時、いったい誰が助けてあげられるのだろうか?ヒーローはきっと…
お茶子の回想にはイールボーイが笑顔で市民にファンサービスしている様子が映し出される。
「だから力を貸してください! 彼が隣で休んで備えることを許してもらえませんか?」
ここを彼のヒーローアカデミアでいさせてください!
デクは泣き崩れ、市民たちは静まり返る。
その中で過去、彼に助けられた人物が自然と動く。市民から無差別に暴力を受けられた娘と、コウタくん。
その場に座り込みうずくまるデクに、周囲の評価など気にせず駆け寄る二人。
あと一歩、近寄ることのできなかった人たちのあと一歩が世界を変えていく…
お茶子の主張
正直びっくりしました。
お茶子の理想としているヒーロー像はスペースヒーロー13号のように「人々を守り笑顔にする」というもの。
最近ではヒーローが辛い時に助けられるヒーロー…そう思っていたはず。
しかし、今回お茶子でわかったの考えは
「ヒーローが、ヒーローたちが辛い時助けてあげられるのは『市民』だ」
ということ。ここは明言はされておりませんが、イールボーイの回想を見てみるとわかります。
活躍したイールボーイに注目する群衆とは裏腹に、お茶子だけ何故か喜ぶ市民を見て喜びを感じています。
その後、父に言われイールボーイ、すなわちヒーローのほうを向きます。
一瞬キョトンとした表情をします。なぜならイールボーイは対ヴィランとの銭湯で疲れており、その顔は「疲れて辛そう」だったから。
かつて仕事で忙しい両親に対して抱いたイメージと一緒で、「疲れた顔をみるのは辛かった」。
そんなお茶子にとってヒーローの活躍よりも何よりも「人の笑顔」をみることが喜びであるから、わざわざ辛そうな表情をしているヒーローを向かなかったわけです。
しかし、ファンサービスに笑顔で答えたイールボーイを見て、その表情は爆発します。
このシーンは「辛そうなヒーロー」を笑顔にしたのは「市民」だった、ということを象徴するコマなのです。
つまり、「ヒーローを救う、笑顔にするのは紛れもない市民なんだ」という主張が現れていると言えます。
お茶子はこの経験を軸に「ヒーローを守ってあげられるのは市民なのだ」という信念を持っていると思いました。
群衆に向かって大声で訴えかける未成年の叫び….とても涙なしでは見れませんでした
イールボーイに涙
お茶子の回想に出てきたイールボーイはvs超常解放軍にて戦死したヒーローです。
トガちゃんの捕獲を命じられ、気配を消せるトガちゃんに優勢に戦っていた優秀なヒーローでありました。
彼は瀕死のトゥワイスに後頭部を一突きされ、その後ナイフで滅多刺しにされ殉職したことがえがれてています。
その後、トゥワイスの死によって単独行動をとるトガがイールボーイの姿に化け、複数のヒーローを殺害したことも記憶に新しいです。
お茶子にとってイールボーイは大切なことを気づかせてくれたヒーロー。そのヒーローが敵として対峙するトガに利用されたという事実。
今後も対照的な立場で映し出されることでしょう
しかし、vs解放戦線中のイールボーイの険しい表情、そこからは想像できない彼の優しくフランクな笑顔…
このギャップを持ち合わせたヒーローがすでに亡くなってしまっているということに、私は涙が止まらない。
まとめ
市民からあえて非難されその上で認めてもらえないと、ヒーローの信頼は取り戻せない。圧倒的なカリスマ性と強さを持つオールマイトのような人物でない限り。
そしてデクのプロローグである「これは僕が最高のヒーローになるまでの物語だ」
「そしてみんなが最高のヒーローになるまでの物語だ」
と、タイトルに新たな意味合いが持たされていることがわかります。
ヒロアカはデクがNo.1になるのではなく、悪に打ち勝つ人間たちを総称しヒーローとよぶ。
今後の展開がさらに気になりますね。